現代の高度に発達した医薬品や外科手術、さまざまな検査技術によって、 たくさんの人々の命が救われているのですから、 これはすばらしいことです。 しかし、人間には、これらに全面的に頼る前にやるべきことがあります。 それは、だれもが自然に持ち合わせている、 自分の体を自分で治す力、修復する力を生かすことです。 自然治癒力と言われているこの働きは、 自分が使おうと思って意識的につかうものではなく、 体にある条件が満たされているならば、 なんの努力もなく勝手に働いてしまうものです。 その条件とは、弾力があって動きのよい体の状態であること。 内臓も含めた体中の筋肉に弾力があってよく動く体は、 血液やリンパ液などの体液の流れやホルモン分泌、 そして神経伝達もスムーズです。 そのような体は、少しでも異常が発生すると、 すぐにそれを察知する感受性が高く、 問題が小さいうちに修復に向かわせます。 逆に硬直した動きの悪い体は、 異常を感知する感受性が鈍く、修復力も働きにくいため 大病などのおおごとになりがちなのです。 さらに整体では、 病気そのものを一つの修復作用と見ており、 体に生じた異常を症状として表に出し、 それをうまく経過することで体を正常な状態に戻すものとしてみます。 のみならず、病気にかかり、それを自らの力で治すことは、 体をより強くたくましく育てるという意味もあるのです。 病気を恐れない、 病院に頼らない生き方は、 弾力のあるよく動くからだ(整体)を取り戻すことによって 身につけることができます。